セルロースは地球上で最も豊富な炭水化物であり、古代から利用されてきました。紙、レーヨン、絶縁タイル、パッキング材、建築材等の多くの製品はセルロースからできています。自然界では、セルロースは主に細胞壁成分として植物によって生産されていますが、動物、藻類、細菌などによっても合成されることが知られています。
セルロースは、グルコース分子がβ-1,4-グリコシド結合したポリマー(β-1,4-グルカン鎖)で、これらの生物の細胞膜上でセルロース合成酵素複合体によって合成されます。
今日、セルロースベースの材料は、世界規模で大量生産されています。それらは主に天然の木質および繊維材料を物理的・化学的に処理する、「トップダウン方式」で作られています。
近年、酵素やバクテリアを使って、より均一で用途に合ったセルロースを、最適化した合成条件のもとで、「ボトムアップ方式」で合成することが可能になってきており、幅広い分野でセルロースの用途をさらに拡大させることが期待されています。
【参考文献】